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2018年6月

2018年6月10日 (日)

NHKプロフェッショナル 絵本作家かこさとし

去る5月2日、絵本作家のかこさとし※ 先生がお亡くなりに
 
なりました。※(wikipedia)
 
92歳の大往生、最後まで現役の絵本作家であり、
 
数多くの絵本を世に出された方です。
 
代表作の一つである、からすのパンやさん は確か
 
今から40年以上前に出版され、
 
260万部の大ベスト&ロングセラー。
 
 
 
こちらもシリーズ100万部超えのヒットとなった
 
 
絵本作家はお元気で長生きだなあと思って
 
いたのですが・・・。
 
 
その、かこさとし 先生※※の最後の1か月を、
 
NHKプロフェッショナル 仕事の流儀という番組が 
 
取材されていたそうです。※※公式サイト
 
そちらをちらっとご紹介します。
 
 
番組はとてもとても静かに始まりました。
 
 
 
 180612
 
取材は3月から4月上旬にかけて行われました。
 
取材の申し込みをした段階で、
 
もうご家族やご本人は最期の日が近いで
 
あろうことを、どこかで分かってらしたそうです。
 
それでも、記録としてありのままを撮っていただければ
 
とのこと。
 
180612_92
 
取材21日後、かこさとし先生はお亡くなりになりましたが
 
本番組は追悼番組ではなく、あくまで現役絵本作家
 
最後の記録、としての放映でした。
 
 
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数年前から腎臓を患い、緑内障で視野もせまく
 
なりつつある先生に、お仕事のお世話などを務める
 
娘さんが、少しは休んだら?と尋ねると、
 
先生は一言「死んでから休みます」って。
 
 
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てんぐちゃんシリーズ最新作の原画です。
 
 
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絵本を読んだ子どもさんが、読んだ後に
 
誰かに話したくなったり、何かしらの反応が出る、
 
そういうものを描かなければ、描く意味がないと
 
おっしゃる。
 
その原点はご自身の辛い記憶です。
 
第二次世界大戦時、お国のために軍人になろうと
 
思っていたかこ少年、視力が弱いため飛行機乗りに
 
なれず、仲間は次々亡くなり、終戦で19歳で
 
生き残りました。
 
が、戦争が終わったとたん、周囲の大人達は
 
態度を一変、あれほど戦争に加担したのに
 
本当は戦争に反対だった、など・・・。
 
落胆し、かつ、自分も同罪だ、と思いつめた
 
かこ少年は決意をします。
 
未来の子ども達に託そう、大人が言うことでなく
 
自分の頭で考えられる人になってほしい、
 
子ども達の応援団になろう、と。
 
子どもさんをあなどってはいけない、が
 
かこさんの信条です。
 
物語をしっかり起承転結にまとめ、
 
細部までこまかく描きこむと、 
 
子ども達はちゃんと見て応えてくれる、と。
 
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180612_7
 
そんなかこ先生の最後の日々、水についての
 
科学絵本の構想はあるのですが、絵を描く
 
体力がないため、2年かけて構想を練り、
 
作った文章の絵を他の絵本作家に頼むことに 
 
なりました。
 
体が痛むかこ先生ですが、それでも打ち合わせを
 
やめようとしません。
 
 
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そして、まさかのダメだし。
 
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絵本を誰に届けるのか、対象年齢を気にされ、
 
うんと年齢を下げて優しい内容にしたい、
 
が、そのためには「分子」などの言葉は難し
 
すぎる。
 
そして、水をみずたまのかたちで表現したものの、
 
雨はみずたまの格好ではなく、球体である、と。
 
 
180612_12
 
結局、ご自身の文章をボツにします。
 
最後まで、とことんご自分の作品を客観的に
 
ジャッジされる先生。
 
18061221
 
取材最終日から21日後、かこ先生は
 
お亡くなりになりました。
 
番組は、人間 という、先生の科学絵本からの
 
言葉を紹介して終わりました。
 
 
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180612_16
 
40億年ひきつがれてきた生命の設計書は
 
あなたにもあります。
 
そしてその設計書はこれからも人に受け継がれて
 
ゆくことを思えば、むやみに死をおそれたり、
 
悲しむこともないのです・・・と。
 
 
 
わたしは、ぽっかりと心に大きな穴が空いたかのような・・・。
 
お亡くなりになったニュースより、この番組を見た後と、
 
公式サイトでのおしらせ を読んだ後の方が
 
ひたひたと悲しみが大きくなっています。
 
ただただ今は、素晴らしい絵本をありがとうございました、
 
という言葉しかない、わたしであります。
 

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